昨シーズン(12-13シーズン)よりG3 ENZOをGENIUSにつけて乗っています。1シーズンちょっと乗ってみた個人的な感想と出てきた不具合を簡単にまとめてみようと思います。
ENZOにした理由
ジニアスを買う前に使っていたビンディングはG3 TERGA ASCENTでした。板を新しくするのにビンディングを変えた理由は、何か不満があった訳ではなく、アッセントが近いうちになくなって部品自体も取れなくなるって噂を聞いたからです。これが本当か嘘かは分かりませんが、どうせなら他のツアービィンディングを使ってみても良いかなと思った次第です。
ジースリーのアッセント以外でアッセント機能のあるビィンディングはというと、Black Diamond O1、22 DESIGNS AXL、VOILE Switchback X2、そして発売されたばかりのG3 ENZOといったところでしょうか?ボレーはX2ではないふつうのスイッチバックもありますね。僕が思いつくのはこれくらいです。
で、なぜエンツォにしたのかというとただ単純に格好良かったから。オレンジジニアスとの組み合わせもかなりグッときました。発売されたばかりでどういった不具合が出てくるか分からないという不安要素もありましたが、それ以上にかっこいいし乗ってみたいという気持ちからです。
ただ他のにしなかった理由ってのも少しながらあって、O1は自分が履いているガルモントのブーツとの相性が悪いということ。ビンディングのヒールピースの形状とブーツのヒールの形状が若干合っておらず、ヒールピースに何かぶつかったりして衝撃が加わると簡単にビィンディングがはずれてしまうということがあるようです。
スイッチバックは見た目が好みじゃないというのと、ワイヤー・カートリッジがブーツの横にくるため、ターンの切り替え時に内脚側のカートリッジ同士がぶつかるのが嫌だなぁと思いました。
エンツォ以外で気になったものがアクセル。デザインは嫌いじゃないですが、今まで履いている人を見たことがないし、知り合いにも使っている人がいなかったので気にはなりつつも今回は見送りました。重量も重いですしね。ただ機会があれば乗ってみたいビィンディングです。
ENZOのフィーリング
事前情報でエンツォはソフトフレックスでもかなりかたいビィンディングと聞いていたため、確かスプリングはソフトフレックスにしたような記憶がありますがあいまいです(実物のスプリングも黒いので多分ソフトで間違いない?)。
で、実際に乗ってみた感じはというと、その場で踵を上げ下げすると確かにすごくかたく感じます。前乗りしなければアルペンターンでも案外行ける感じです。しかし、滑ってみるとそのかたさは気にならず、ブラックダイヤモンドのような踵を引っ張られるような独特なねっぱり感もなく不思議と自然な感じでかたさも気になりませんでした。
アッセントでよく聞く滑降と歩行のモードの切り替えが雪詰まりや凍結で動かなくなるという問題は、エンツォではありません。ストックで切り替え部を押すと快適にモードの切り替えができます。アッセントでちょっと手こずった経験がある身としてはこのスムーズさはちょっと感動でした。切り替えに関してはもうアッセントには戻れません。
ENZOの不具合
僕が実際に使ってみて出てきた不具合というのは、1.ケーブルエンドを止めるピンが曲がる、2.ヒールリフターが登っている時に下がってきてしまう、3.下げていたはずのヒールリフターが滑り終わっていると上がっている(滑っている途中で上がる)、といったところでしょうか。
1.ケーブルエンドを止めるピンが曲がる
改善が必要な問題であると思うんですが、ケーブルエンドをとめているピンは普通に使っていても曲がります。
写真のケーブルのエンドを止めているピンが曲がっているのが分かるでしょうか?昨シーズン数回使っただけで曲がってしまい無償で交換してもらいました。今回写真を撮ろうと見てみたところ、やはり曲がっていました。なぜ曲がるのかというと、これはあくまで個人的な推測になりますが、このピンが通っているプレートは僅かに上下に動くためハイク中にこのプレートとその下のプレートの間に雪が溜まると、ピンが通っているプレートが上に持ち上げられ、ピンが通っている部分に力が加わりピンが曲がると思われます。もうこれは構造上の欠陥ではないでしょうか?通っている部分の幅をもう少し広げれば解消されるようにも思います。
若干水分を含んだ雪の中をラッセルしているとプレートの間に入り込んだ雪が踏まれてるうちに固まりプレートを押し上げるじゃないかと思うので、道央圏で活動されるような方は気をつけて下さい(気をつけようがありませんが…)。たまにピンを確認するようにした方がいいかもしれません。まぁ、ピンが曲がったところで使用に問題はなさそうですけど。
道北で活動している三段山のすーさんはこのピンがツアー中に抜けかけたということもあったようです。完全に抜けて紛失してしまうと深刻な事態にもなりかねないのでこちらは本気で注意したいですね。
2.ヒールリフターが登っている時に下がってきてしまう
エンツォのヒールリフターはヒールプレートが縦に起き上がってヒールリフターの役割をします。上げて登っていると、度々倒れることがあります。これはブーツの踵に当たる位置が悪いと倒れるようです。
エンツォのヒールプレートはスライドさせて位置調整ができるので頻繁に倒れるようなら調整してみたらいいと思います。
3.下げていたはずのヒールリフターが滑り終わっていると上がっている
2.とは逆に滑降が終わって気づいたらヒールプレートが上がっていたということもありました。これはなぜか分かりませんが、同じような不具合が出ている方がいるようで、プレート位置を前にすれば良いようです。プレート位置は登っている時に下がらず、滑っている時に上がらないようにという微妙な調整が必要なのかもしれないですね。僕はどちらも頻繁には起こらないで今はたいして気にしていませんが。
と言った具合に、発売されたばかりということもあって不具合はいろいろとあるようです。製品として熟成されてくるのはこれからでしょうか?マイナーチェンジされることを期待します。
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はじめまして。
返信削除同じような不具合がでているヘタレスキー部長です。
じつは、またまたクライミングサポートが勝手に上がる、&だんご雪でクライミングサポートが勝手に下がる現象が出て、秀*荘に持ち込んだら、対策部品がでているとのことで、交換してくれました。
クリック感が硬くなりますが、どちらの不具合もすごく困るので、
これで滑ってみます。
交換時に、小*口さんに「バネがさびているから注意してあげて」といわれました。
見え隠れになる側のバネがこってり錆びていて、びっくり。
水がたまる構造らしく、注意して都度CRC556かなと。
ブログに書こうと思ってクライミングサポートが勝手に下がる現象について検索かけたら、ここを発見いたしました。
もしかして、ばんけいでオガをはいてスラバンを大回りしている方でしょうか??
まるへん様
返信削除はじめまして。
コメント頂きましてありがとうございます。
クライミングサポートに対策部品が出ているんですね。
どのようなものか気になるので今度秀岳荘に行ったときに聞いてみたいと思います。
バネの錆も要注意ですね。後で確認してみます。
ケーブルエンドピンが曲がるというのは秀岳荘で確認したところ、僕以外にまだクレームがないようです。曲がっても支障はないし、逆に抜けてしまうという不安はなくなるのでこのまま使用しようと思っています。ただ、曲がったまま使っていてどのような不具合が出てくるのかは分からないので、予備で1本は持っておこうと思い取寄せをお願いしました。
ゲレンデではオガサカの板を使っていますが、今シーズンはばんけいには行っていないので別の方かと思います。先シーズンまではたまにばんけいも行っていましたが。